2007/05/13

概 要

西夏陵とは

　西夏陵とは西夏の時代（11世紀から13世紀はじめまで）、当時西夏の都だった興慶府、現在の銀川市の郊外に広がる陵墓群です。
　歴代皇帝の陵と言われる9基の大型墓と、大小様々な大きさ、形がある200基あまりの陪葬墓があります。本来は瑠璃瓦などを使って飾られていたといいますが、モンゴルによる徹底した破壊と時間の経過によって、今はその基礎となった突き固められた土の山だけが残っています。
（写真：現在の３号陵、李元昊の陵墓といわれています）

銀川

　銀川は現在では中国の寧夏回族自治区の区都で、黄河が大きく北に彎曲する所の西岸にある街です。標高は1100mほど。華北の乾燥地帯に位置しますが、黄河からの灌漑によって栄えてきた土地です。
　古くは霊州の一部でしたが、西夏が都を置いてから寧夏の中心都市として、位置付けられるようになりました。

銀川と西夏陵

　銀川は東に黄河が流れ、西に賀蘭山が連なる南北に細長い地域にあり、黄河から取り入れた灌漑水路が縦横に流れています。銀川の市街地は、西夏時代以来といわれる旧市街と、鉄道駅周辺に新たに拓かれた新市街よりなる、東西に細長い街です。
　西夏陵は銀川の新市街の西、賀蘭山の山麓にあります。旧市街の中心から30km近く離れていて、車で30分以上かかります。

西夏陵の分布

　西夏陵は銀川の西、黄河より引いた西干渠と賀蘭山に挟まれたなだらかな山裾に、南北10km、東西4kmの範囲わたって拡がっています。西干渠より東は灌漑によって農地が拡がっていますが、それより西は潅木と草が生えるだけの乾燥した荒野です。賀蘭山から下る川筋には普段は水がありません。一部エリアでは、遺跡の保存、整備に合わせて緑化もすすめられています。

　皇帝陵とされる大型墓は、南から順に番号がつけられています。また陪葬墓も含めた陵墓の分布により、全体が大きく4つのエリアに分けられています。南から1、2号陵を含む一区、3、4号陵を含む二区、5、6号陵を含む三区、7、8、9号陵を含む四区となっています。

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