【西夏史】人物伝

李継遷 伝

略歴
　北宋の初期、定難軍節度使の一族に生まれた李継遷は、982年、節度使の李継捧が宋に地位と領地を差出したことに反発し、宋に対して独立戦を仕掛けた。地斤沢というオルドスの中央部を拠点に、夏州、銀州を攻撃。しかし、戦況は一進一退が続き、遼や宋それぞれに臣礼をとるなど外交戦も展開したが、事態はなかなか好転しなかった。ようやく997年になって、李継遷が臣礼をとることによって、真宗皇帝が即位したばかりの宋から夏州と周辺の支配を認められ、この方面での戦いにひとつの区切りがついた。
　しかし、李継遷はその頃から霊州への攻撃をくり返すようになり、宋とは引き続き厳しい状況が続いた。1002年にはついに霊州を陥れて、西方発展に向けて新たな拠点と定め、霊州を西平府と改称した。翌年には、早くもチベット系のペンラジェが守る西涼府を攻めて、いったんは攻め落としたが、反撃にあって傷を負い、その傷がもとで翌年死去することになる。

基本データ
＜姓名＞李継遷、趙保吉
＜生年＞963年　＜没年＞1004年
＜父＞李光儼　＜母＞罔氏
＜爵位など＞管内都知蕃落使 974年、都知蕃落使・権知定難軍留後 985年
　遼より受けたもの　定難軍節度夏銀綏宥静等州観察処置等使特進検校太師都督夏州諸軍事 986年、夏国王 990年
　宋より受けたもの　銀州観察使 991年、夏州刺史・定難軍節度・夏銀綏宥静等州観察処置蕃落等使 997年
＜尊号＞応運法天神智仁聖至道広徳孝光皇帝
＜諡号＞神武皇帝　＜廟号＞武宗、太祖　＜陵名＞裕陵